May 19, 2012

【いよいよ来週】スーパー・チェロ・アンサンブル・トウキョウ♪

5月も下旬に差し掛かりました。しかし今年のいわきは、思いのほか涼しい毎日(・・・とはいっても、朝と夕方に外にでるだけで、昼間はずっとアリオス内にこもっていますが)。

天候不順になりやすい5月、今年はそれが強烈に顕れているみたいです。

***

さて、ヴィルタス・クヮルテットでお世話になっているチェロ奏者の丸山泰雄さんが主宰するアンサンブル、「スーパー・チェロ・アンサンブル・トウキョウ」三鷹公演のコンサートが一週間後に迫ってきましたので、再掲載♪

この公演は、丸山さんご自身の主催公演ということもあり、私も頑張ります!
皆さまのご来聴を、心よりお待ちしております。


●スーパー・チェロ・アンサンブル・トウキョウ in 三鷹
  ~クヮルテットよりナイーヴに、オーケストラよりダイナミックに!~

 5月25日(金) 19:00開演(18:30開場)
 三鷹市芸術文化センター・風のホール

 出演:丸山泰雄、渡邉辰紀、林 裕、金子鈴太郎、植木昭雄、
     三森未來子、水谷川優子、荒 庸子、灘尾 彩、海野幹雄、
     玉川 克、朝吹 元

 プログラム:
 D.フンク/組曲 ニ長調
 P.カザルス/東方の三賢人
 G.マーラー/交響曲第5番よりアダージェット
 J.シベリウス/交響曲第5番よりフィナーレ
 J.タヴナー/独奏チェロと弦楽のための「奇蹟のヴェール」
                    (ソロチェロ:丸山泰雄)
 J.シベリウス/フィンランディア

 料金:全席指定/5,000円


※チケットのお求めは・・・

◎ロンドミュージックオンラインチケットサービス
 (ご利用前に公演チケットサイト「カンフェティ」への会員登録〔無料〕が必要となります。)
⇒ http://www.rondomusic.co.jp/performance.html

 ・携帯からはこちら http://cnft.com/met4688

◎カンフェティチケットセンター(平日10:00~18:00)
 0120-240-540 (フリーダイヤル)

・上記の場合、ご予約期間内(14日間)であれば全国のセブンイレブンにて、24時間レジにて予約済みチケットの引き換えがが可能です (ただし、チケット発券手数料がかかります)。


◎三鷹市芸術文化センター・チケットカウンター
  10:00~19:00 窓口のみ(月曜休館、祝日の場合火・水曜休館)


主催 株式会社 ロンドミュージック
後援 公益財団法人 三鷹市芸術文化振興財団


※チケット好評発売中♪♪

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さて、ここからは丸山さんからいただいた、プログラム解説の先読みです!(長くなります^^;)

ダヴィド・フンク(1630頃~1690以後)
組曲二長調

ボヘミア出身のフンクは1677年にホルシュタイン・ノールブルク公爵家の書記官になりますが、定職を好まず、ドイツを中心にヨーロッパ各地で活躍しながら放浪の生涯を送りました。ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロ、ギターの演奏家、また詩人としても高く評価されていた彼は、自らの詩による受難劇やその他の宗教音楽で名声を博し、今日まで伝えられているヴィオラ・ダ・ガンバ曲集のほか、<音楽堤要>も著したと言われています。
組曲二長調は4本のヴィオラ・ダ・ガンバのために書かれ、当時ヨーロッパで大流行したフランス風舞曲の他43曲からなる彼の曲集から、現代の音楽学者マックス・ザイフェルトが当時の演奏家の慣習に照らし合わせて編集したものです。イントラーダ~フーガ~サラバンドと変奏~アルマンド~クーラント~エール~サラバンド~ジーグの8曲が続けて演奏されます。荘厳なイントラーダに始まり、一転して活き活きとしたフーガ、精巧な変奏を伴うサラバンド、と聴く者の耳を楽しませる配置になっています。非常に美しい曲集で今ではチェロ・アンサンブルの定番のレパートリーになっています。


パブロ・カザルス(1876~1973)
東方の三賢人

現代チェロ奏法をたった1人で確立し、独奏楽器としての今日のチェロ人気を不動のものにしたカザルスは20世紀最高のチェリストとして、また長年忘れ去られていたJ.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲」の再発見者として、今も世界中のクラシックファンに愛され尊敬されていますが、彼の後半生は決して平穏なものではありませんでした。祖国スペインでは政治システム弱体化に伴い民衆の蜂起が頻発、内戦の中1936年にはフランコ軍事独裁政権が樹立、犠牲者の遺族や難民の援助に全力を尽くした彼もついに亡命を余儀なくされました。その後フランコ政権に対する抗議として公の場での演奏を一切中止、リューマチが悪化し、食糧はわずかなカブと豆だけ、薪の入手も困難なほど苦しい亡命生活に長く耐えましたが、戦後少しずつ状況が好転し演奏活動も再開されます。
こうした中、1956年の10月10日、彼の80歳の祝賀音楽会がパリのソルボンヌ大学講堂で開催され、カザルスを敬愛するチェリストが世界中から駆けつけ、なんと102人ものチェロ・アンサンブルで演奏した曲が、この「東方の三賢人」です。
この作品はカザルス自身が作曲したオラトリオ「エル・パッセブレ(飼い葉桶)」に含まれるコラールの1曲で、本人の許可を得てチェロ・アンサンブルに編曲されました。曲はカザルスの長年の悲願を反映し、救世主の到来を暗示する静かで敬虔な調べに始まり、みどり児イエスとその誕生を星の動きから知ってベツレヘムの厩を訪ねた賢人たちの対面の場が感動的な音楽で表現されていきます。


グスタフ・マーラー(1861~1911)
アダージェット

マーラーは声楽を含む巨大な交響曲を作曲し、古典派以降の交響曲発展史の最後に位置するユダヤ系の作曲家です。彼の作品に見られるロマン的叙情と、内面から湧き上がる人間の苦悩や切実な叫びは、現代人の心を強く捉えています。
アダージェットは彼の代表作である交響曲第5番嬰ハ短調の第四楽章で、同時期に書かれた「リュッケルトの詩による歌曲」と内容的・旋律的な関連を持っています。巨匠ヴィスコンティの名画「ローマに死す」に劇中音楽として使われて以降、数々の映画、ドラマ、舞台等の劇判音楽としても馴染みの深い曲となりました。


ジャン・シベリウス(1865~1957)
フィナーレ~交響曲第5番ホ長調Op.82より

フィンランドの国民的大作曲家であるシベリウスは、最初ドイツ・ロマン派やロシア国民楽派の影響を受けた作品を作曲しますが、1904年にヘルシンキでの都会生活を打ち切り、その北方30キロ程にあるヤルヴェンパーの山荘で隠遁生活を始めた事を機に、独自の作風を確立していきます。
交響曲第5番は1915年にシベリウスの生誕50歳を祝う国民的祝賀演奏会のために自ら作曲したもので、4年前に書かれ、彼の最高傑作と評される第4番の持つ暗く幻想的な性格は消え、北欧の田園情緒を描いたのびやかな作品となりました。第3楽章フィナーレはソナタ形式に近い形で書かれ、構造的な有機性が重視されています。随所にシベリウスらしい透明な響きとある種の諦感を湛えた名曲です。


ジョン・タヴナー(1944~ )
ソロ・チェロと弦楽合奏のための
  「プロテクティング・ヴェイル(奇蹟のヴェール)」

イギリス、ロンドン生まれのタヴナーは幼少期から音楽的才能を見せ、高等学校時には既に並々ならぬピアニスト、オルガニストでした。ロイヤル音楽アカデミーを卒業後、幾つもの作曲コンクールで賞を獲得、1965年に初演された彼のドラマティック・カンタータ「鯨」でロンドン市民の熱狂的支持を得て以来、そのオリジナリティー溢れるコンセプトと独自の語法に基づいた作品群で現代社会に一石を投じ続けています。また、ビートルズと同じアップル社から彼の作品のディスクが発売されていることをみても、彼がいかにクラシックファンのみならず一般大衆にいかに影響を及ぼしているかを伺い知る事ができます。彼は1977年の入信後、非常に熱心なギリシャ正教徒であり、以後の作品全てにその教義が反映されていますが、この「プロテクティング・ヴェイル」もその代表作品で、BBCから1989年のヘンリー・ウッド・プロムナードコンサート・シリーズのための委嘱を受け、1987年に作曲されました。
(当日プログラムでは、この作品の冒頭に記されたタヴナー氏自身による作品解説も掲載します。お楽しみに!)


ジャン・シベリウス
交響詩「フィンランディア」Op.26

生涯に7つの交響曲を書いたシベリウスは他に歌曲や劇音楽、弦楽中心の小品、ヴァイオリン協奏曲及び10曲を超える交響詩を作曲しましたが、その中で最も有名で作曲者の代表作となったのが、1900年に書かれた交響詩「フィンランディア」です。
もともと愛国運動の一環として上演された劇「歴史的情景」の中の音楽として1899年に作曲された組曲の終曲を交響詩として書きし直したもので、ロシアの圧政に苦しむフィンランド国民の反抗と、祖国の自然に対する賛美が表現された愛国的作品であり、ロシア官憲に演奏を禁止される程に、国民に大きな共感を呼び起こし絶大な支持を受けた作品です。


 丸山泰雄(無断転載を禁じます)

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May 05, 2012

子どもの日ですが・・・

今日は子どもの日ですが、相変わらず仕事。GWが終了してから休むというパターンです(^^;。

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本日の新聞は一面で、少子化がさらに進んだことを伝えています。福島県では、原発事故の影響もあり減少率が例年の2倍に。


ところで、こうした少子化対策には悪影響の方が大きい施策だと思われるのですが、昨年度一杯で子どもの扶養控除が廃止されました。本来は、子ども手当てが創設されたことに伴う廃止のはずだったのですが、結局子ども手当ては掛け声ばかりで満額支給されることは一度もなく、あえなく別の制度に移行、しかし控除だけは予定通り廃止と。。。

その結果、うちではどうなったかというと・・・

なんと、保育園に通う子どもたちの保育料がえらく上がってしまいました(汗。

その理由は、子どもの扶養控除が廃止されたのに伴い、税引控除後の所得が上がってしまったため。保育料を決めるための世帯収入のランクが上がってしまったのです。
しかしながら実際は、私は今年度、再契約によって年収が下がっているのですが、上記の理由で税引控除後所得が上がったとみなされてしまった・・・(保育料は前年度の所得をもとに算出されるので、年収が下がったことも反映されていないし・・・)。

このことに伴う家計へのダメージは、子どもが多い家庭ほど大きく(わが家は4人、しかもひとりは重度障がいをかかえているし・・・)、現政権の「少子化対策」はチグハグなことばかり。
このままでは少子化を食い止められるような、子どもを育てる苦労をあえて選択しない人が増えることを止めることは難しいと思われるのですが。
おまけに少子化対策担当大臣はコロコロと変わる(野田政権ですでに4人目!)し。

何か納得できない気持ちで一杯・・・。


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May 03, 2012

GW

ザバザバ雨が降っている中、ずぶぬれになって出勤。徒歩15分の道のりは、全然動かない私にとって、貴重な運動であるが、雨の日は被害が拡大して困る。。。

今日のアリオスは、大ホールで磐城高校吹奏楽部の定期演奏会の仕込みとリハ。明日と明後日の2日間、1705席の大ホールに満場のお客様を迎えてコンサートを行うのだ。
・・・入場料1,000円で2日間満席というのは、ここいわき市では他に見当たらないビッグ・イベント。
磐城高校はこのあと6月には、日比谷公会堂で東京公演も開催することになっている。こちらは2,000円、立派なコンサートだ。

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磐城高校。福島県内有数の進学校にして、文武両道を校是とする硬派の学校として知られている。

磐高吹奏楽部は、そうした校風と伝統を常に背負い、1981年以来全日本吹奏楽コンクールに通産12回出場、金賞5回、銀賞8回を獲得している。全国の伝統校と呼ばれる高校のいくつかが、クラブ活動においてメンバーが常に入れ替わり、まるでその歴史の重さに押されるかのように部員の卒業とともに衰退していくなかで、それは特別の輝きを放つ存在だと思われるのだ。

彼らの演奏には、「求道」のイメージがある。それは混沌とした今の時代に、気合一線迷いのないサウンドを、全力で突き通さんとするイメージだ。常により困難な道へ、より高い山へと向かうその姿勢は、メンバー一人ひとりの今後の長い人生にも、安易に流れず苦労をいとわないパーソナリティ形成の一助となっていくだろう。

過去彼らは、バルトーク『中国の不思議な役人』や、矢代秋雄の『交響曲』、クロード・スミス『華麗なる舞曲』など、高校生から見ると一見、「美しい」「楽しい」という「音楽の本質」からやや遠いところにあるかのような作品をあえて選曲し、取り組んできた。そうした作品にあえて挑むという姿勢、そして実際にその高みを凌駕してしまうほどの練習を行うその姿勢こそが、現代には貴重な、彼らの「美徳」と呼んでも良いところなのではないだろうか。
そうした生徒たちの「知育」を主導してきた根本直人先生の、そのぶれることのない信条によって「磐高サウンド」は、脈々と受け継がれてきた。

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そんな彼らが、嬉々とした「音楽」の世界に羽ばたいたところに接したことがある。
今からもう5年前。いわきアリオス・大ホールのステージに、彼らが初めて登場した時だ。この年磐高は、3年連続全国大会金賞を受賞していた。

彼らの演奏は自信に満ち、しかし的確に新しいホールの音響を感じ取って、ただ力で鳴らすだけではなく、より遠くを志向する音を鳴らそうとしていた。
ホールに依存するでもなく、自らのやり方に固執するでもないこのときのサウンド、それはそれで立派にバランスが取れていた。そして自らの信じる「音楽」を、ホールがアシストしてくれることを彼ら一人ひとりが感じ取れたことは間違いない。
その演奏は愉悦に溢れ、「求道者」から「高校生」の顔に戻っていた。

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東日本大震災を経て、2年ぶりにいわきアリオスで演奏する磐城高校吹奏楽部。彼らの身体の中に音楽が深く根を張る手助けを、アリオスができますように。

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April 06, 2012

聖金曜日

+ 主の平和


今年もこの日を迎えました。

あれから一年経ち、少し客観的に見て、言葉を紡ぐことができるようになってきたように感じます。

苦しみを受けている人は、心の中でその苦しみと向き合い、折り合いをつけることが必要なのです。
それができて初めて、人は芸術によって救われることができる。

このことはとても個人的な営みのように思えるけれど、ひとりでは困難なことでもあると思うのです。
その営みに寄り添いながら、傷ついた人びとの心を癒すお手伝いをすることが、芸術文化に携わるもののミッションなのだと感じています。

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世の罪を取り除く 神の子羊よ あわれんでください

世の罪を取り除く 神の子羊よ あわれんでください

世の罪を取り除く 神の子羊よ 平和をお与えください


Agnus Dei qui tollis peccata mundi: miserere nobis

Agnus Dei qui tollis peccata mundi: miserere nobis

Agnus Dei qui tollis peccata mundi: dona nobis pacem


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March 30, 2012

古代ギリシャと現代を結ぶ音列=旋法♪

ヴィルタス・クヮルテットが震災一年目に演奏するのに選んだベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番 イ短調 作品132の第3楽章には、「リディア旋法による、病癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」と記されている。
作曲の途中、重篤な腸の病に罹り、死の恐怖に囚われる体験をしたベートーヴェンが、その病から奇跡的に回復して作曲を再開したときに新たにこの楽章を加えることにしたので、この作品は5楽章形式になったと、しばしば説明されている。

この「リディア旋法」という言葉は中世の「教会旋法」、つまり「グレゴリオ聖歌」の“メロディライン”(と呼んで良いかは諸説ある)を形作る基本の“音列構造”であり、また「オルガヌム」や、さらに「モテトゥス」など多声作品を作曲するときの各声部間の“距離”の基準となる“決まりごと”である「旋法(mode)」の一つの種類に付けられた名前である。

ところで、実はここで使われているのは正確な「リディア旋法」ではなく、「はじめから4番目の音」が、「柔らかい音」(=この場合、フラットをつけて半音下げることを示す)になっている。リディア旋法は、五線譜上に近似的に記すと、F(=ファ)の音から始まる上行形の全音音階となる。ベートーヴェンは、その4番目の音(本来はH)を半音下げて(B♭)用いている(直線で構成されるナチュラル記号を“固い”と表現するのに対し、曲線の丸いフラット記号を“柔らかい”という)。するとその音の並びは一見「ヘ長調」と同じになってしまう(厳密には、音階を構成する音同士の機能和声や導音の関係が異なる)。
音と音の関係が、近代「長音階」と同じ「イオニア旋法」(本来の「教会旋法」には含まれておらず、後の時代に付け加えられたもの)と同一になり、やがて「ヘ長調」へと変貌してその個性が失われていった。

ここではその、古の「神共に居ます」時代の音楽的な雰囲気を用いて、ベートーヴェン自身の「感謝の賛歌」を創り上げている。


ところで、「リディア旋法」や「イオニア旋法」といった名称は、中世から遡る古代ギリシャ時代に用いられていた「音の並び方の法則」の名前である。
古代ギリシャでは、万物の流れは高いところから低いところに流れていくと考えられ、音も高い方から低い方へと並べられていた。

近代の長音階・短音階には「主音」・「属音」・「下属音」などの機能和声的に他の音よりも重要度が高い音があるが、ギリシャ旋法のそれぞれの音列で中心となる音は「中音」と名づけられた。これは現在の音階では「A(ラ)」の音に近似させることができ、この音を含みながらどこから音列を始めるかによって、古代ギリシャには7つの旋法

 ・ミクソリディア=シから下る
 ・リディア=ドから
 ・フリギア=レから
 ・ドリア=ミから
 ・ヒポリディア=ファから
 ・ヒポフリギア=ソから
 ・ヒポドリア=ラから

があった。これらの「開始音」には副次的な意味しかなく、現代の「調性」のような求心力はなかった。中心となるのは、あくまでも「ラ」だったのだ。

残念ながら現在、古代ギリシャで豊かに奏でられていたであろう音楽を実際に聴くことはできない。壁画や壷に描かれた絵から、使用されていた楽器を想像することはできる。理論書の解読により、古代ギリシャ旋法の構造もすでに分かっている。しかしそれでも、一旦現代との連続性が途切れた古代ギリシャの音楽は、たとえ楽器を復元し、解読できた理論に従って楽譜を再構成しても、それが真に過去の時代に奏でられた音楽である、という証明が不可能であるのだ。

***

そこから時を経た中世ヨーロッパ、キリスト教会における「聖歌」の発達に伴って「旋法」が整備されていき、それがやがて8種類の教会旋法に定められた(後の時代になってもう4つ追加され、計12種類となった)。
これらにはすべて「終止音」(=中心となる音)が決まっており、「正格旋法」という、終止音から上向きに1オクターヴ上の音まで8音を並べたものと、「変格旋法」という、終止音の上に5度、下に4度の範囲で8音を並べたものがあった(ちなみに、音の並び方が古代ギリシャと逆向きの上に向かっていることから、この教会旋法は古代ギリシャの旋法とは断絶があることが分かる)。
この「教会旋法」は現代の「音階」を生み出す母体となったが、当時より様々な教会音楽の雰囲気(モード)を決めるものであった。それは音の力学的に、これらの旋法が終止音に向かう「調性的」な傾向が色濃かったからである。

先述のベートーヴェン/弦楽四重奏曲第15番第3楽章に記された「リディア旋法」は、別名「第五旋法」あるいは「正格第三旋法」と呼ばれる。ちなみにさらに後、ブラームスが交響曲第4番第2楽章で、やはり教会旋法を用いているが、これは「第三旋法」あるいは「正格第二旋法」、別名「フリギア」旋法と呼ばれているものである。

この名前の付け方は、やはり古代ギリシャの旋法とは全く関係がない。「リディア」といっても古代ギリシャでは「ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド」であったのに対し、中世の教会旋法では「ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ」で終止音が「ファ」となり、全く別のものである。同様に「フリギア」といっても古代ギリシャでは「レ・ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ」、中世では「ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ」で終止音が「ミ」である。このことからも、古代ギリシャ文化が一旦ヨーロッパ世界から断絶し、中世の音楽理論が整備されていく中で旋法の名前だけが残っていたため、「適当に」流用された結果と考えられるのだ。

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March 19, 2012

武久源造さんと、アリオスのチェンバロ♪

15日、いわきに武久源造さんが、久保田チェンバロ工房の関係者の皆さんと一緒に来られました。
いわきアリオス所蔵の、マティアス・クラマー氏製作の16フィート弦付き2段ジャーマンチェンバロを試奏して下さったのです。

クラマー氏は16フィート・チェンバロをすでに10数台製作していて、ハンブルグでは北谷直樹さんも、氏のチェンバロを使用したコンサートや録音を行っています。

この楽器、ハンブルグの博物館に蓋だけが残っていて、当時の新聞広告に掲載されていたFleischer、あるいはその後を継いだZellが製作した楽器と言い伝えられているものを“復元”した、ということになっているものですが、もちろん各所にクラマー氏の独創的工夫が盛り込まれ、現代の演奏に合わせたものになっています。

この楽器で一番の特徴は、響板が“段々畑”のように2段組みになっていること。
武久源造さんの説明によると、16フィート弦用の響板は8フィートには広すぎ、音像がぼやけてしまうことから、あくまでもメインは8フィートで、そこに音の柔らかさを加味するために16フィートの響きを加える、という発想で、16フィートの鳴りが多少乾いたものになったとしても、まずは8フィートに最適な広さの響板を作り、その周りに16フィート用の響板を付け足した形にしたのだろう、ということでした。こうした段構造の響板と、弦のレジスターが縦(上下)に並んでいるのが、ハンブルク・タイプと呼ばれるZellの特徴でもあるそうです。

一方、チューリンゲン・タイプと呼ばれる16フィート・チェンバロは、広く大きな響板を持っていて、弦のレジスターも平面的に横並びになっているのが特徴、とのこと。ベルリンの博物館に所蔵されている「バッハ・チェンバロ」、ヨハン・セバスチャン・バッハが所有していて、その息子に受け継がれ、各地を転々とした後にベルリンの博物館が購入したとされている楽器もこのタイプだろうといわれています(実際にその楽器を見てこられた技術者の梅岡さんによると、現在は全ての弦が外されている、とのことでした)。

この「バッハ・チェンバロ」、モデルは「ハラス」とされている(元はHassではないかと言われていました)のですが、武久さんは「この楽器がバッハの所有であったという確かな文書や記録はないはずで、あるのなら教えて欲しい」とおっしゃっています。
そこで梅岡さんがいくつかの情報筋を当たったところでは、やはりこの楽器がバッハの所有であったというのは伝聞で、文書などは見つかっていないとのことでした。

武久さんによれば、モーツァルトの時代にはチェンバロに16フィート弦が付いていたことは確かだと思われるが、バッハの所有していた楽器に、本当に16フィートが付いていたかどうかは、まだ分からないのが実情だろう、とのことでした。

一方で、古典楽器技術者の梅岡俊彦さん(アリオスのチェンバロのメンテナンスも大変お世話になっています)によれば、16フィート・チェンバロが、バッハが奉職していたケーテンの宮廷と、バッハが演奏活動を行っていたライプツィッヒのCafe Zimmermannにあったことが記録に残っていることから、バッハが16フィート・チェンバロを使用していたことは確実と言えるのでは、とのことで、今後の研究が待たれます。


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夜、ご一行に小名浜にていわき名物の「アンコウ鍋」を召し上がっていただきつつ、武久さんの、尽きることのないおもしろいお話を聞きながら、久しぶりの再会を楽しませていただきました(^^)。

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March 01, 2012

【小金井音楽談話室2】♪♪ヴィルタス・クヮルテット 2012春公演について♪♪

今日から3月、春もまもなくです。そして今年は、特別な3月でもあります。

季節はめぐり、忘れることのできない3.11がやってきます。この一年、私たちは数え切れないほど多くの方がたにその心と手を捧げていただき、再びいわきの人たちとともに歩き始めることができました。

そして迎える、被災後一年目の3月。いわきアリオスを拠点に活動を行っていた弦楽四重奏団ヴィルタス・クヮルテットにとっても、特別な季節です。

ヴィルタス・クヮルテットは、2009年2月にいわき市を拠点に活動を開始し、アリオスでの定期演奏会のほか、市内の各地に一週間ずつ滞在する「アーティスト・イン・レジデンス」を通じて、地域の人びととの交流を育んできました。
ちょうど一年前の3月5日、いわきアリオスでの3回目の定期演奏会を終えた直後に大震災に見舞われ、4月に予定していた仙台公演も中止となりました(11月に延期されて公演されたjことは、以前にもお伝えしました)。
その間、チェロの丸山さんは被災各地を回り、多くの人びとを音楽の力で元気づけるとともに、9月には、震災後初めていわきアリオスの建物内での催しとなった「カスケード交流コンサート」で、無伴奏チェロの演奏を披露してくれました。

この一年私たちは、この街いわきでたくさんの方がたのもとに芸術文化を届ける仕事をしてきました。そのなかで実感するのは、芸術文化なくして、人は心豊かで人間的な生活を送ることはできない、ということでした。

それは、失ってみて初めて分かることです。ですから私たちは、この体験を大きな声で伝えていかなくてはならないと考えています。その一環に、私たちはヴィルタス・クヮルテットによる演奏活動を位置づけています。

ぜひ、ご来聴下さい♪


   ***

●弦楽四重奏団ヴィルタス・クヮルテット

    三上 亮(ヴァイオリン、サイトウキネン・オーケストラメンバー、
         前札響コンサートマスター)

    水谷 晃(ヴァイオリン、群響コンサートマスター)

    馬渕昌子(ヴィオラ、サイトウキネン・オーケストラ、
          紀尾井シンフォニエッタ、アンサンブル・ベガ
          各メンバー)

    丸山泰雄(チェロ、紀尾井シンフォニエッタメンバー、
           国内主要オケ客演首席を歴任)

    ※ご案内:足立優司(いわき芸術文化交流館アリオス
                 音楽プロデューサー)

プログラム:
   モーツァルト / 弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 「春」 K.387
   ブラームス / 弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 作品51-1
   ベートーヴェン / 弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 op.132

  ♪ ♪ ♪

【東京・小金井公演】

「第2回 小金井音楽談話室~春を呼ぶ、弦楽四重奏」

日 時: 2012年3月7日(水) 19:15開演(18:45開場)

会 場: 小金井市民交流センター小ホール(1階)

入場料: 2,500円、 シニア(65歳以上)2,000円、学生1,500円 
(全席自由)

   ※ ご入場の際、シニアの方は年齢の分かる身分証明書等を、
     学生の方は、学生証のご提示をお願いいたします。

主催・お問合せ: 小金井音楽談話室 TEL/FAX : 042-388-8099
            E-Mail : koganei-music◎kch.biglobe.ne.jp 
                 (◎をアットマークに変えてください)
              ※ メールにてチケットご予約の方は、
              お名前とご連絡先、枚数をお知らせください。
           ロンドミュージック 03-3265-9321
後 援:小金井市

  ♪ ♪ ♪

【福島・いわき公演】

「よみがえるいわき、祈りをこめて~第4回いわき定期演奏会」

日 時: 2012年3月11日(日) 14:30開演(14:00開場)

※14:30よりトーク、その後14:46にあわせて献奏と黙祷を奉げます。
 コンサートは15:00からです。

会 場: いわき芸術文化交流館アリオス・音楽小ホール

入場料: 全席指定 3,000円、学生1,500円 

 ※ ご入場の際、学生の方は学生証のご提示をお願いいたします。

お問合せ: アリオスチケットセンター TEL: 0246-22-5800
(毎週火曜定休、10:00~20:00)
       いわきアリオスWEBサイト http://iwaki-alios.jp

  ***

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February 21, 2012

♪スーパー・チェロ・アンサンブル・トウキョウ♪

いわきアリオスや「小金井音楽談話室」で大変お世話になっている弦楽四重奏団ヴィルタス・クヮルテットのリーダー、チェロ奏者の丸山泰雄さん。その丸山さんが主宰するもう一つのアンサンブルが、12人のチェリストが結集する「スーパー・チェロ・アンサンブル・トウキョウ」です。この度、5月に開催される公演のチケットが発売になりました♪

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●スーパー・チェロ・アンサンブル・トウキョウ 三鷹公演
  ~クヮルテットよりナイーヴに、オーケストラよりダイナミックに!~

 5月25日(金) 19:00開演(18:30開場)
 三鷹市芸術文化センター・風のホール

 出演:丸山泰雄、渡邉辰紀、林 裕、金子鈴太郎、植木昭雄、
     三森未來子、水谷川優子、荒 庸子、灘尾 彩、海野幹雄、
     玉川 克、朝吹 元

 プログラム:
 D.フンク/組曲 ニ長調
 P.カザルス/東方の三賢人
 G.マーラー/交響曲第5番よりアダージェット
 J.シベリウス/交響曲第5番よりフィナーレ
 J.ダウナー/独奏チェロと弦楽のための「奇蹟のヴェール」
                    (ソロチェロ:丸山泰雄)
 J.シベリウス/フィンランディア

 料金:全席指定/5,000円

■「日本が世界に誇るチェロ・アンサンブルを!」
2000年10月、このコンセプトのもと日本のトップ・チェロプレイヤーが集まり結成されたのが、スーパー・チェロ・アンサンブル・トウキョウです。編成は曲目などに応じて4人、8人、16人と変化し、レパートリーもバロックから現代、クラシックからポップスまで極めて多彩! メンバーはリーダーの丸山泰雄をはじめ全員がコンクール優勝者や上位入賞者、室内楽のトップ・アーティスト、主要オーケストラ首席奏者として活躍中のプレイヤーで構成されており、その豊かな音色と高度なアンサンブルは他の追随を許しません。
■今回4度目となる三鷹市芸術文化センターでの公演は、チェロ・アンサンブルの定番フンクや、初演時にロンドンで一台ブームを巻き起こしたダウナーの「奇蹟のヴェール」の他、初めてシベリウスの「フィンランディア」にも取り組みます。
豪快に響き渡り、繊細に歌を紡ぐチェロ・サウンド、どうぞお聴き逃しなく!!


※チケットのお求めは・・・

◎ロンドミュージックオンラインチケットサービス
 (ご利用前に公演チケットサイト「カンフェティ」への会員登録〔無料〕が必要となります。)
⇒ http://www.rondomusic.co.jp/performance.html

 ・携帯からはこちら http://cnft.com/met4688

◎カンフェティチケットセンター(平日10:00~18:00)
 0120-240-540 (フリーダイヤル)

・上記の場合、ご予約期間内(14日間)であれば全国のセブンイレブンにて、24時間レジにて予約済みチケットの引き換えがが可能です (ただし、チケット発券手数料がかかります)。


◎三鷹市芸術文化センター・チケットカウンター
  10:00~19:00 窓口のみ(月曜休館、祝日の場合火・水曜休館)


主催 株式会社 ロンドミュージック
後援 公益財団法人 三鷹市芸術文化振興財団


※チケット好評発売中♪♪

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はい(^^)、このコンサートのチラシデザイン・制作をお引き受けしたのでした。今後少しずつ皆さまのお目に留まることもあるかもしれません♪


あっ・・・、「第2回 小金井音楽談話室~春を呼ぶ、弦楽四重奏」の方もぜひ♪ (5つ前の記事です)

3月7日(水) 19:15開演(18:45開場) 小金井市民交流センター・小ホールにて開催です。チェロの丸山泰雄さんがリーダーのヴィルタス・クヮルテットが出演します☆

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February 03, 2012

チラシデザイン・・・

実はまたひとつ、コンサートのお手伝いをすることになりました。
で、今はわが家のデザイナーがチラシのデザインを作成中・・・。

出演者が12人いて、それぞれがお気に入りの写真を貸してくださったので、それを1枚のチラシに纏め上げるのは、ほんとに大変そうです。その上こっちは、見た印象でいろいろ言っちゃうし・・・(^^;


でも、なかなかステキなデザインが上がってきました。そのうち巷でお目にかかるかもしれません♪

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January 14, 2012

センター試験

今日から、大学入試センター試験(いわきアリオスでは、アンサンブルコンテスト福島県大会・・・実は主催では、「渡辺亮 サンバ&アートワークショップ2012☆OVO NOVO(オーヴォ・ノーヴォ) in 三和ふれあい館」という事業を、寒ーい山の中にある、いわき市三和地区にて開催♪)。

と・・・なぜそんなことを思ったかというと、実は、昨年12月より友人の子どもさんのセンター試験対策として、英語と世界史Bを見てあげることになり、ここまで一ヵ月半限定の特訓(!?)をしてきました。といっても週に2日が限度ですが。さすがに今週は直前の追い込みで、4日間頑張って授業。

センター試験の英語、はるか昔に受験戦争(^^;に苦しんだ者のイメージでは、受験テクニックを駆使して頑張るもの、受験英語なんて実践ではあんまり役にたたないよ・・・という刷り込みが強いのですが、今回改めて問題文をよーく見てみると、懐かしの「共通一次」時代とはずいぶん違っています。
何より、ヒアリングがあるし・・・

というわけで、受験予備校や学習塾では当たり前のことながらも、今回私が感じた現在の大学入試における英語の位置取りについて少し記しておきたいと思います(あくまで私見です)。

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筆記試験の問題を見てみると、最初は単語の発音とアクセントについての基礎知識。配点は低いのですが、数が多くて侮れません。しかも、そこかしこに、日本語にカタカナとして取り入れられている語句や、「名(形)前動後」(なつかしー)、知らないと思わずローマ字のように読んでしまいがちな単語を、罠のように仕込んであります(発音問題も、アクセント問題も)。基本的なspeakingの能力が求められているようです。

それから、文法の基本知識を聞く穴埋め問題。これも数が多いので注意。不定詞と動名詞、や特定の前置詞を取るもの、仮定法など、憶えていないと歯が立たない感じではあります。

続いて対話文で、受け答えの選択肢から正しいものを選ぶ。このあたりから、文意をつかんだ読解が必要になってきます。この辺りから、readingの能力が試され始めます。

そして語順。選択肢で与えられた単語を並べ替えて正しい英文を作るというもの。英語の文章にある程度慣れている必要もあり、文法の基礎がちゃんとしていないと正解にたどり着かない問題です。writingの能力も試されています。

その後、まとまった文章問題に移ります。まずは文中に出てくる、あまり見かけない単語の意味を前後の文から類推するもの、長めの会話文から、話者の語ることを要約するもの、文章の途中に丸々一文が抜けていて、選択肢の中からそこに入るものを選ぶもの。

次にヴィジュアル問題といわれる、グラフや図表を見て、それについて論じられている英文を読み応えるものや、広告・時刻表・診察票などを見て、英語の設問に答える問題が続きます。

いよいよ長文読解。まず状況説明の文を見て、設問の答えを探すもの。最終問題は、論説文あるいは随筆を読み、パラグラフごとの大意を捉え、その上で「序論・本文・結論」あるいは「起承転結」のまとまりを答えさせるというもの。

近年の読解問題は長文化が進み、全てを読み込んで設問に答えるには、1分間に100単語は最低でも読み進められなくては時間が足りない、といわれています。
教えている子も最初、なかなか最後までたどり着かないと言っていました(12月に入ろうかという時点なのに・・・汗)。しかし、長文読解問題は一問あたりの配点が非常に高く、ここが時間切れで当てずっぽうでは、とても高得点は望めません。

とはいえこの論説文や随筆、もしも英語であるということを度外視したとすると、内容的には現代国語(じゃない、今は現代文というんですね)の設問と比較しても格段に素直で分かりやすいものなのです(少なくともこの7,8年間は)。
つまり、英語であるという点が苦労の種であるとしても、内容は易しいのだからリカバリーは可能なはず。
方法論としては、日本語の論説文を理解するときと同じやり方で文を捉えればよいということになる・・・乱暴な言い方をすれば、設問に直接関係するところだけ丁寧に読み、設問と関係ないところはざっと読むだけで(時間が不安ならいっそのこと読まなくても)よい、ということ。さらに言えば、そういうところはいちいち日本語に訳しながら読もうとしないで、単語が出てきた順に意味を追いかけつつ読んでいく、ということです。分からない単語はカタカナでとりあえず当てておく、とか。

とまあ、日ごろ自分たちが英語の文書(海外のニュースリリースなど)を読むときにやっていることが、そのまま求められているようなものです。ということは、センター試験の英語は、それなりに実践に即した形になっている、と・・・。

大学入試レベルの語彙数と、設問にも含まれるような単語の意味類推の能力、文章のなかで言いたいことや結論と、例示や話の展開部分とを見分ける能力があれば、社会に出てからの実用レベルの、ニュース英語くらいは全然さっと読めるようになる、ということなんですよね。昭和の時代に受験を終えた人間からは、隔世の感があります。


その意味でもおもしろいなと思ったのは、2009年の長文読解問題。大学生になったら、Bilingual Dictionary でなく、Monolingual Dictionary を使うべきである、と主張する随筆文が出されました。

もし、あなたの最終的な目標が to understand a foreign language clearly であり、また to speak or write the language using a variety of words であるならば、学習の早い段階で(once you have command of basic vocabulary)、Monolingual Dictionary を手に入れることを強く勧める

ということが結論。もちろん、その通りです。常識で判断しても。
しかも、Monolingual Dictionary of English にはせいぜい、entry、equivalent を合わせても2,000語程度でてくるくらいなので、辞書を引くことで基本的な単語にも、またその基本的な用例にも何度も出会うことになり、passive な状態から active な状態に、語彙の記憶を進化させることができる、と。


というわけで、センター試験の英語問題を解くという経験が、大学にいって専門的な文書を英語で読むときに、頭から辞書を使って全文訳す、という昔ながらの方法ではなく、日本語の論文と同様、きちんと文意を押さえながら、「サッと読む」という能力を培うのにも役立つのでは、と思いました。

このように今の大学入試はかなり実践的な内容になっていて、回答法を考えるというプロセスだけでも十分に役に立ちそうです。

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がんばれ、受験生!

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